その4

初心は忘れちゃいかんよね
{ノート} 礼子 020215

 この前仁が配った『なしかね?通信』、えらい懐かしかった。
 マツバウンランの話とか一粒の麦の話。このレポートはみんなにとって最初の、大きな「なしかね?」を考えさせる問題だったと思う・・・。一つの命を考えるやつやったね。一つの命を犠牲にすることでそこからいーっぱい命との関わりが生まれて、一つの命が何倍にもなる・・・みたいな話やったね!?
 そんな熱い話しょったのに、今ではすっかり、忘れとった・・・。
 初心は忘れちゃいかんよね。あの話から、すべてが始まったんだよね――――。

自分の花は自分で咲かせる

 礼子さん、『一粒の麦』思いだしてくれて仁もうれしいよ。
 あのときのみんなの反応すごかった。ほんとに真剣にみんな考えてくれたものね。そして考えた内容もみんなの固有な個性が溢れていた。仁は、正直、みんなの感性のみずみずしさに感動してしまった。すばらしい発見だった。みんなの中に豊かな水脈を発見できたことがとてもHappyだった。生徒達の中にあるこんなにも豊かな感受性と<考える力>があることを誰彼に伝えて回りたかった。実際あちこちで報告したけれど・・・。
 あんな授業をずっと続けられたらいいなぁと夢みたいに思っているけど、現実的には、あんな授業ばかりやっているわけにはいかないんだよね。基本的な最低限の「知識」はやはり修得してほしいしね。

 2学期からは「知識」の領域に入ったから、覚えなければならないことが増えて、「普通の」授業みたいになることがおおかったけれど、それはそれでとても大切なことだ。ただ「テスト」のために覚えるという「勉強」の仕方だけは変えてほしかったから、<考える授業>としての具体的な問題を提起してきたつもりだけど、「むずかしい」と感じるようになったり、「押しつけ」と感じてしまったりして、少ししらけてしまう人たちも出てきたよね。そんなこんなでもう1年が終わろうとしている。

 <初心は忘れちゃいかんよね>
 礼子さんがそう言ってくれて仁はHappyだ。「マツバウンラン」をきっかけに始まった<自分探しの旅>だったから、あの頃の自分をもう一度想い出してほしかった。何度でも想い出してほしいんだ。だから同じ通信を配った。だから礼子さんが<初心>を見つけだしてくれたことがとてもうれしいんだ。(資源の無駄遣いじゃないよ、って自分に言い聞かせることができる)。

 いろんな出会いを体験して、自分の中に、たくさんの花を咲かせてくださいね。  

初心
{ノート} 明日香 020226

 マツバウンランに出会ってから約10ヶ月・11ヶ月くらい経った。
 最近はマツバウンランを全く見なくなった。けれど、春になったら、新入生を迎えるようにマツバウンランは命を宿すのだろう。入学してすぐに見つけたマツバウンラン。あの頃は、命についてすごく、すごく、関心を持っていた。けれど、マツバウンランを見なくなった今では、あんな小さな花を思い出すことは全くなかった。思い出してみると、マツバウンランと出会って、いろんなコトが起こったような気がする。命の大切さをあの小さな花から学んだ。どんなに小さなものでも、この青い地球にある限り、命を持っているということ。そしてシスター大田との出会い。あんなに小さくて一本しかないと全く目立たない青い花に出会っただけで、いろんな出会いと考えが生まれた。
 次の春、私たちがまたマツバウンランに出会ったとき、その人はどんなことを思うのだろう? そして感じるのだろう。きっと次の春マツバウンランを見かけた時に、「あっっ」と思わない人はいないだろう。そう思うことがマツバウンランにとっては嬉しいことだろう。あんなに小さな花、細い茎で、雨でも風でも一所懸命、命を守ろうとしている。
 けれど、人間は、自殺など、せっかくの命を自ら捨てている。人は花より恵まれているだろう。けれど人は人なりの不満がたくさんある。勉強や友人関係などいろいろな問題を抱えている。きっと不満を持っていない人はいないと思う。このようにマツバウンラなどの花でもきっと不満はあると思う。特にマツバウンランのように目立たなく、あまり知られていない花は。けれど、私たちの中では、どんな花より目立って見えるだろう。輝いて見えるだろう。少なくとも私にはそう見えたい。
 きっと次の春が来てマツバウンランが芽を出し、花を出したとき、みんな何かを感じるのだろう。
 きっとあの時と同じように・・・。
 初心  。私たちは春→夏→秋→冬と過ごしていく。一番はじめの春、毎年来る春に初心を思い出し、一年を送ることができるだろう。一年の初めに、きっとまたどこかで、出会うから。初心を毎年思い出して新しい年をまた一年送ることができることは、すごく嬉しいことだと思う。
 Happy days life・・・ ☆